イギリスで世界史上初めておこった産業革命。

その変遷を描写する概説書である。
 

産業革命は工学上の出来事であると同時に、経済学上での出来事でもあった。

技術的側面と、

経済的側面によって、

また、人口や食料や政治的側面など色々な側面から、産業革命を解剖していく著者のアシュトン。

 

革命という言葉には、

「常識が非常識となり、非常識が常識となる」という響きがある。

では産業革命では、

何が非常識となり何が常識となったのか?

 
過去の革命を振り返れば、

社会階級の興隆がそこにはある。

 
例えば、

日本の無血革命と言われる明治維新では、

徳川政権にかわり、それまで268年間幕府に隷属していた地方の長州・薩摩・土佐藩士らが新明治政府として権力を担った。

また、士農工商により最も人権のなかった商人が最も権力をもてる社会へと逆転した。
 
その様は、

まるでトランプゲーム大富豪の「革命」のようだ。
 
 
この「逆転」という観点から産業革命を見たときに、どのような変化や影響があったのか?
 
18世紀においては

イギリスではその大部分が土地における労働によってその生計を維持していた。

生活は、土地に縛られ農業や手工業によっていた。

そこに技術革新により、工場制度という新しい形態が成立。

これにより、大規模な工場が働き場として勃興し、小規模かつ封建的な手工業や農業は減衰していった。
 

簡単に言えば、

家庭規模の自営業が減り、

大企業が働き場としてスタンダードになったということだ。
 
これは、サラリーマンという職業選択が進路のスタンダードとして、日本の学校教育で見なされている根本要因となる出来事ではないだろうか。

現在では、世の中のほとんどが会社員として働いており、労働者のほとんどが従業員となるのは、この産業革命を発端としているのだから。
 

このときに、

大規模な資本を集中投入し、大勢の人を雇い入れ、工場を24時間フル稼働し、大量生産することで、資本主義社会の根本構造が形作られていく。

 
この工場モデルにより、

日本は高度経済成長を見事に成し遂げたわけだが、今やサービス産業がメインである時代において、工業時代あったが故に機能した、例えば長時間労働など、全くもって時代ハズレな働き方をまだしているということは、もはや否めない周知の事実だろう。
 
 

「昔からやっているから、今も同じように特に考えもせずにやっている」

その慣習や行為に一石を投じ、

脱却していくために、改めてその根源やルーツを知る助けになる書だ。

 
YOERU.

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